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旧耐震の分譲マンションの 耐震工事の事例

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旧耐震の分譲マンションの、耐震工事の事例

更新日2020.07.22 カテゴリー 耐震補強工事について

2年越しの耐震工事事例_耐震診断専門会社

東京都の分譲マンション様の耐震補強工事を行いました。補強工事プランの費用が莫大になってしまい工事に踏み切れなくなっていたところ、弊社にご相談いただきました。耐震診断結果の見直しから補強を検討することで大幅に工事費用を削減できました。同様の状態でお困りの方、解決できる場合があります。ぜひご相談ください。

概算見積もりで予算オーバーが判明。暗礁に乗り上げていた

ご紹介するのは、こちらの物件の耐震補強工事の事例です。
物件名:東武西新井東口サンライトマンション
所在地:東京都
用途:共同住宅(分譲マンション)
建築年:昭和53年(築42年)
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造ラーメン構造(110戸)
延面積:約9,000㎡
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写真は改修工事前の外観です。

2017年に他社で耐震診断を行ったところ、最低Is値が0.36との結果が出ています。
Is値とは、建物の地震に対する強さを表す指標です。数字が大きいほど耐震性が高いことを示します。
なお、Is値が0.6以上あれば、新耐震基準を満たす耐震性があると認められ、耐震改修工事は不要です。

Is値の評価は、「震度6〜7の地震が起きた時に倒壊、または崩壊する危険性」として次のように分類されています。

・Is値が0.6以上:危険性が低い
・Is値が0.3以上0.6未満:危険性がある
・Is値が0.3以下:危険性が高い

東武西新井東口サンライトマンション様は、Is値0.36ですから「危険性がある」に分類されます。そこで、耐震補強工事を検討されたそうですが、概算見積もりで莫大な費用がかかることが判明。
お困りだったところ、マンション管理組合の方が弊社の耐震セミナーにて相談してくださいました。

耐震診断の結果を見直すと、見積もり金額が下がった

他社の診断結果では、1階、2階、7階、8階、9階が耐震性不足とのことでした。
しかし、弊社にて耐震診断の結果を見直したところ、1階の耐震壁6か所のみの工事でよいことがわかりました。
これは、弊社が診断結果を甘く見積ったり、手抜き工事をお勧めしたというわけではありません。

実は、耐震診断の結果をどのように判断するかは、設計者によってかなり違いがあるのです。
弊社は耐震診断も補強設計も数多く、これまでに手がけてきた物件数は1,600を越えます。そのため、評定には慣れていますし、自信があります。

また、近年は耐震診断の評価の仕方が変わってきたということも原因のひとつです。少し前までは認められなかった壁も、耐震力があると認めるようになってきています。そういった情報を持っている設計者とそうでない設計者がいた場合、後者の設計者はどうしても過大な補強工事を提案してしまいます。

概算見積もりが高額で工事ができないとお悩みの場合は、別の設計者に耐震診断の結果を見直してもらうとまったく違う数字が出ることがあります。

1階駐車場に耐震壁を新設

新しい補強工事プランは、1階の駐車場への耐震壁の新設のみ。
当初の計画よりも大幅に予算が余ることもあり、全住戸から工事の同意を得ることができました。
総会で補強工事が決定し、2019年11月に工事開始。

左は元の駐車場です。この柱の間をふさいで壁にしました。
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開口部に鉄筋を組み、型枠をつけてコンクリートを流し込みます。型枠を外し、塗装をして工事部分が目立たないようにしたら完成です。この耐震補強工事を、耐震壁補強と呼びます。
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柱と柱の間を壁で埋めるだけですので、駐車可能な台数は変わりませんし、動線の変更もありません。

余った予算で大規模改修工事も可能に

大幅に工事費を抑えられるため、「耐震改修工事と同時に大規模修繕までできる!」という嬉しい余裕ができました。管理組合の方に聞き取りを重ねた結果、方向性が決定。
単に修繕するのではなく、建物がレベルアップするような機能改善を目的とすることになりました。

実施した改良工事は以下の通りです。

(1)エントランス改良工事(仕上、宅配ボックス、休憩ベンチ)
(2)バリアフリー工事
(3)エレベーター内に手すり設置
(4)使用していない共用部をコミュニティールームに改造
(5)既存の集会室をトランクルームに
(6)サッシ改修
(7)自転車置き場の改良(屋根改修、駐輪ラックの設置)
(8)共用部照明のLED化
(9)無機質な壁にウォールアート
(10)駐車場入口にゲート設置
(11)敷地内の防草および防犯対策
(12)駐車場の屋根増設
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ほぼ利用されていなかったエントランスに接する管理人室を有効に利用するため、管理室スペースを必要最小限にプラン変更し、残りの部分を住民が誰でも利用できるコミュニティールームへと改良しました。今では住民の方々の憩いの場や、ヨガ教室として利用されています。

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殺風景だった歩道側の壁にはウォールアートを施しました。
通行人への気遣いも感じさせる明るい雰囲気になりました。
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劣化していた防水シートを補修しました。
建物全体の色は、イメージを一新しネイビー色を基調とした爽やかなツートンカラーとなりました。
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自転車置き場もリニューアル。錆で劣化していた波板鉄板のサイクルポートを、アルミ製に改修しました。
自転車の前輪を固定するラックを設けたため、囲いがなくても風で自転車が倒れにくくなりました。
死角も減り、防犯性もアップします。

お喜びいただけました

施工業者にも恵まれ、工事中は住民のみなさまにも評判が良く、無事に工事が終わりました。
お喜びの声をたくさん頂戴し、ご満足いただけたことに弊社も改めて安堵し、達成感を得ることができました。

修繕委員会の方、住民の方、共にマンションを良くしていこうという意識の高い方が多く、本当にお世話になりました。
時には冗談を言い合ったり意見をぶつけあったりしながらも、一つの目標に向かって問題を解決できる、素晴らしいチームでした。

お引き渡しの際に、サプライズがありました。管理組合のみなさまが感謝状を用意していてくださったのです。
ご相談いただいてから工事完了まで約2年。みなさまと過ごした長い時間を思うと、涙が出る思いです!
これを励みに、今後もお客様の笑顔が見られるよう精進してまいります。
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