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昭和56年以前に作られた新耐震基準の建物について

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昭和56年以前に作られた新耐震基準の建物について

更新日2017.07.03 カテゴリー オーナー様向けコラム

昭和56年以前の建物でも新耐震基準で作られたものがある?

法的には、昭和56年6月1日以前に建築確認申請が受理されている建物は旧耐震基準で建てられた建物となり、昭和56年6月1日以降は新耐震基準で建てられた建物となります。
しかし実際は、法改正が施行される前に建てられた建物でも新耐震基準を採用して建築している建物があります。見分けることはできるのでしょうか。

昭和56年6月1日の建築法改正。施行前から行政指導はあった

1981年(昭和56年)の建築法改正は、1978年(昭和53)年6月12日に発生した宮城県沖地震をふまえてのものです。
宮城県沖地震では、宮城県、山形県、岩手県、福島県で震度5、関東、北海道、東北でも震度4が観測されました。
被害は、死者28名、負傷者1,325名。7,400戸の建物が全半壊しました。特に被害が大きかったのは仙台市で、
ライフラインが断たれた近代都市の混乱は、その後の大きな教訓となったのです。

耐震基準を大きく見直した改正建築法が施行されたのは、宮城県沖地震の三年後となる昭和56年6月1日。
市民生活に直接影響を与えるような法改正の場合、通常は公布日から施行期日まで一定期間が設けられるものですが、この時の建築基準法改正は、当日施行(公布日と施行日が同じ日)です。
昔のことなので背景事情は今となっては不明な点も多いのですが、公布当日に業界に大混乱が起きたかというと、そうではありません。
実際は公布に先立って、近々建築基準法が改正されることは建築業界に周知されていました。また、昭和54年~昭和55年頃から行政指導が行われ、新耐震基準に準拠して建築するように推進されていたようです。
つまり昭和56年6月1日以前に建築確認をとった建物でも、新耐震基準を満たして建てられたものがあるのです。

56年6月1日以前の建築確認でも、新耐震基準の建物はある

建物は、既存不適格物件(※)になると多かれ少なかれ資産価値が下がってしまいます。
法改正によって新築がすぐに既存不適格物件になってしまうことがわかっているのなら、新しい基準値に則った建物を建てた方が得です。ですから、法改正の施行前でも新耐震基準で建てられた建物は多数あると見てよいでしょう。
所有する物件が昭和56年6月1日以前でも、近い年月なら新耐震基準が採用されているのでは?という希望を持ちたくなりますね。
それでは、「指導のもとに新耐震で作られた56年6月1日以前の建物かどうか」を調べる方法はあるのでしょうか。

※建築時に適法であったが、後の法改正によって現行法にそぐわなくなってしまった建物のこと

図面や構造計算書から、新耐震を採用しているか予測はできる

市役所の建築課で建築計画概要書を閲覧しても、細かいことはわかりません。必要なのは、図面や構造計算書です。これらを設計のプロに見てもらえば、「旧耐震基準ではなく新耐震基準を採用していそうだ」という予測は可能です。
構造計算書とは、建物が十分な強度を保持できる構造になっているかどうかを計算したものです。建築確認申請の時に提出が求められる書類の一つで、設計した会社は保管する義務が決められています。
しかし、平成19年6月20日施行の建築基準法改正以前は保管期間はわずか5年(現在は15年)でしたので、紛失していることも多いです。
設計事務所によっては、竣工時に図面だけでなく、構造計算書も引き渡すところもあります。構造計算書はB5サイズが多いため、それらしき書類がありましたら一式を設計士さんに見て頂いてはいかがでしょう。

新耐震を採用していそうでも、安心とはいえない

運良くすべての必要書類が揃っており、どうやら新耐震基準で建てられている…という予測ができても、安心とは言えません。
理由は次のようにいろいろあります。

・図面通りに施工されていない
・施工技術が伴っていない(特に鉄骨造)
・屋上に増築など、重量物を乗せている
・建物の用途が変わっている

古い建物は、増改築されていたり用途が変わっていたりと新築当時とは変わっているところが必ずあるものです。
竣工後に地震を経験したり建物自体が劣化したりしていれば、新築当時の耐震性が保持されていない可能性もあります。
やはり、56年以前の建物については耐震診断を受けておくことをおすすめいたします。

昭和56年6月1日以降に建築されたものでも、建築確認申請がその前に終わっていれば、旧耐震となります。
塩漬けみたいに計画して工事が伸びた場合や、工期の長い大規模な建物の場合にそれが想定されるので、建築確認申請がいつされているかを確認しましょう(※建築確認申請の時期を調べる方法についてはこちら)。
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