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旧耐震基準と新耐震基準の違いについて解説

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旧耐震と新耐震は、何がどう違うのか?

更新日2017.06.02 カテゴリー オーナー様向けコラム

耐震基準とは、建築基準法で決められている耐震強度の基準です。耐震基準は何度か見直されていますが、大きな法改正があったのが昭和56年です。56年以前の建物を、大きく「旧耐震」それ以降の建物を「新耐震」と呼んでいます。

大地震のたびに見直されて強固に。耐震基準とは何か?

耐震基準は、建物の耐震性能についての基準で、地震に対する強さを保証するものです。
地震力に対する強度が初めて法律に盛り込まれたのは、1924年(大正13年)。
これは前年(大正12年)の関東大震災を受けてのことです。
10万人強の死者を出した関東大震災は、史実に残る日本の災害の中では過去最悪のものでした。
そのため法整備は急務だったと思われます。

耐震基準は大地震のたびに見直されて、より厳しいものになってきています。
中でも大きな変化があったのは、次の二つのタイミングです。

・1981年(昭和56年)6月 建築基準法改正(新耐震基準の導入)
・2000年(平成12年)6月 建築基準法改正

1981年の改正では、宮城県沖地震を受けて耐震基準が大きく見直されました。そのため1981年以前に建てられた建物を「旧耐震」、以後に建てられた建物を「新耐震」と大きく分けて呼んでいます。
2000年の改正では、1995年の阪神・淡路大震災を受けて、木造建築に対する構造上の決まりが変わりました。

旧耐震基準と新耐震基準の違い

それでは旧耐震と新耐震では何が変わったのか。
わかりやすい違いは、想定する震度です。

・旧耐震基準…「震度5程度の地震で倒壊しない建物であること」
・新耐震基準…「震度6強から7の地震でほとんど損傷しない建物であること」

また、倒壊だけでなく損傷を防ごうという点が大きく変わりました。
旧耐震は、倒壊さえしなければ人命が守られるという考え方がベースにあります。
しかし新耐震では損傷自体しないことを目的としています。大地震は、一回揺れたら終わりとは限らないためです。

大地震の報道では「最大震度」が強いイメージとして記憶に残りますが、本当に恐ろしいのは最大震度ではなく、どれくらいの規模の地震が何回起こるかです。
2016年4月14日の熊本地震では、震度6を上回る地震が7回も起きています。最初の一回を踏み堪えたとしても、4回目は?5回目は?6回には耐えられるのか?と考えると、「震度6の地震で倒壊しない」だけでは足りないことが納得いただけるでしょう。

新耐震基準の信頼性が証明された熊本地震

新耐震の建物と旧耐震の建物の耐震性能を比較できるデータでは、熊本地震後行われた調査が最新のものです。
国土交通省のデータによると、1981年以前に建てられた旧耐震の木造建物と、それ以降に建てられた新耐震の木造建物では、倒壊率に明確な差が出ています。

・旧耐震の木造建築の倒壊率 28.2%
・新耐震の木造建築の倒壊率 8.7%

06-02

出典:国土交通省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会報告書概要」
http://www.mlit.go.jp/common/001147568.pdf

また、大破した建物の割合も、倍近い差があります。
「古い木造建物ほど壊れやすい」というのは当たり前の話ではありますが、鉄筋コンクリート造等建物では、倒壊した10棟の建物がすべて旧耐震だったことがわかっています。
新耐震の信頼性が、ある程度証明されたデータと言えるでしょう。

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