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ブロック塀の耐震診断が義務化される可能性について

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ブロック塀の耐震診断は義務化されるか

更新日2018.10.15 カテゴリー オーナー様向けコラム

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ブロック塀の耐震診断が義務化されるかもしれません

国土交通省は、「ブロック塀の耐震診断の義務化」の検討段階に入っています。耐震性の低いブロック塀の問題は長らく指摘されてきました。実現される日は遠くないでしょう。ブロック塀を所有している方は、このニュースに注目しておきましょう。ブロック塀が基準を満たしているかどうか、ご自身で判断できるポイントも解説します。

大阪北部地震の前から知られていた、ブロック塀の問題

2018年6月18日に起きた大阪府北部地震で、倒壊したブロック塀に女児が下敷きになるという痛ましい被害が出ました。
大阪北部地震では80歳の男性1名もブロック塀の下敷きで亡くなっているのですが、9歳の女の子のニュースは、倒壊したブロック塀が小学校のものだったことから、繰り返し報じられました。

しかし、耐震性に問題のあるブロック塀が放置されていることはこの被害の以前から知られた話でもありました。
1978年(昭和53年)の宮城県沖地震では、ブロック塀の下敷きになって18名の方が死亡。
2016年の熊本地震では、29歳の男性が亡くなり、59歳の女性が重傷を負いました。
1995年の阪神淡路大震災では、2,500カ所でブロック塀が倒壊、14名が亡くなっています。
東日本大震災では、被害範囲も被害者も甚大で、ブロック塀による被害という集計はできていません。
しかし、仙台市内の狭い範囲で6,794箇所のブロック塀のうち、417箇所のブロック塀が、脱落・転倒していたことがわかっています。

現行法での、「正しいブロック塀の作り方」

ブロック塀の建て方は、建築基準法施行令第68条の8で決められています。
使用するブロックはJIS規格に準じたものかそれと同等のもので、建築用にはC種と呼ばれるコンクリートブロックが適用されます。
ブロック塀の中心にはJIS規格品の鉄筋コンクリート用鉄筋を用い、モルタルの圧縮強度にも規定があります。
その上で、最大高さは2.2メートルとなっています。
下は建築基準法によるブロック塀の基準です。
○ブロック塀の設計基準
スクリーンショット 2018-10-05 18.43.40
日本建築学会は、建築基準法よりもさらに細かい設計基準を設けて推奨しています。
鉄筋や基礎については見た目で判断できませんが、高さ、厚み、控壁の基準を満たしているかどうかは、メジャー一本あればわかります。ブロック塀を所有している方は、ぜひチェックしてみて下さい。

問題は、建築基準法改正前に作られたブロック塀

上に挙げたブロック塀の建築基準は、1981年(昭和56年)の建築基準法の改正時に作られたもの。現行法で正しく施工されたブロック塀なら、震度6強の地震には耐えうると考えられます。問題の多くは、法改正前に建てられたブロック塀です。
建築基準法は基本的に過去に遡及しません。建築時の法に準拠している建築物(ブロック塀は、建築物に付属する建築物という扱いになります)は、法改正後でも実質的にそのままでもよいことになります。
とはいっても、旧耐震の建物を放置すると震災の度に大きな被害を生んでしまうので、住宅などの建築物については、国や自治体が耐震診断費の補助や耐震改修工事費の助成を行い、耐震改修を推進してきました。
しかし、ブロック塀に対しては無施策でした。これが危険なブロック塀が放置され、度重なる悲劇の原因となっていたのです。

ブロック塀の耐震診断の義務化を、国土交通省が検討段階に

大阪北部地震の直後、全国の小学校はスクールゾーンや通学路だけではなく、学区全域の危険箇所のチェックを行いました。しかし、危険と判断されたとしてもブロック塀は個人の所有物ですから、ただちに撤去や改修工事が進んでいるわけではありません。
そこで、行政の主導によってこの問題にようやくメスが入れられることになりました。
2018年8月3日国土交通省は、法改正前に建てられたブロック塀についても、耐震診断を義務化する検討段階に入ったと明らかにしています。
対象となるのはすべてのブロック塀ではなく、まず避難路沿いにあるブロック塀です。
「耐震改修促進法」が活用される見込みなので、耐震診断の結果は公表される仕組みとなりそうです。
耐震改修や撤去のための支援策も同時に検討されているので、すべて自費で診断・改修をしなければならないという乱暴な話ではありません。ブロック塀を所有する方にとってもよいニュースではないでしょうか。

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