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マンション耐震化の基礎知識:Is値とは?

更新日2019.04.04 カテゴリー オーナー様向けコラム

Is値とは?マンションを耐震化するにはいくつにすればいいのか

マンションなどの耐震診断の結果を示す数字が「Is値」。これは、建物の地震に対する強さを示した指標です。数字が大きいほど安全性が高いことになり、Is値は、0.6以上であれば新耐震基準の建築物と同等とされます。数値の出し方、見方について解説します。

Is値とは、鉄筋コンクリート造の建物の耐震性の指標

Is値とは、Seismic(地震) Index of Structure(構造の指標)の略で、構造耐震指標を意味します。
鉄筋コンクリート造の建築物の耐震性を示した指標です。木造建築の場合は、Iw値(上部構造評点)と呼ばれる別の指標が使われます。
専門的な知識がないとこの計算は難しいため、オーナーさんご自身が深く理解しておく必要はありません。
しかし、耐震診断を行うと必ず登場する数字なので、何の数字なのか、いくつあればよいのかを少しだけ覚えておくと良いでしょう。

Is値の見方。いくつあればいいのか。

建物の図面と現地調査によって建物の強度、靱性、変形能力、粘り、建物形状、建物のバランス、経年劣化を導き出し、それぞれの数字を計算式に入れてIs値を導き出します。
Is値は次のように評価され、0.6以上が安全とされています。

○Is0.6以上…倒壊・崩壊する危険性が低い
○Is0.3以上0.6未満…倒壊・崩壊する危険性がある
○Is0.3未満…倒壊・崩壊する危険性が高い

この分類の根拠は、1968年の十勝沖地震と1978年の宮城県沖地震(ともに最大震度5)で被害を受けた建物の、実際のIs値の分布にあります。この調査によると、Is値0.6以上の建物で、中破以上の被害を受けた例はありませんでした。そこで、Is値が0.6あれば安全という基準となりました。

Is値と耐震等級との違いは?

同じように建物の地震への強さを表す数字として、「耐震等級」というものもあります。
耐震等級とは、国土交通省の「住宅性能表示制度」による三段階の建物評価です。
この数字は、建築基準法と比べてどれだけの耐震性があるかを示したものです。

○耐震等級1級…建築基準法と同等の耐震性
○耐震等級2級…建築基準法の1.25倍の耐震性
○耐震等級3級…建築基準法の1.5倍の耐震性

建築基準法を満たした建物は「震度6強から7の地震で倒壊しない・ほとんど損傷しない建物」です。
Is値に置き換えると、耐震等級1級がIs値0.6に相当します。

建物によっては、重要度係数をかける

Is値0.6という基準は、一般的な用途の鉄筋コンクリート造の建物に対する指標です。しかし、建物の用途によっては、これに係数をかけてさらに高い耐震性を求めます。
その係数が「重要度係数」で、「用途係数」と呼ばれることもあります。
その名の通り、建物の重要性、用途によってかける係数のことで、災害時の避難所、学校、病院、官公庁施設などの耐震性を上げることを目的としています。

重要度係数はⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類の3種類あり、数字が大きくなるほど係数が大きくなります。公共施設のほとんどは、重要度係数Ⅱ類以上が考慮されています。
つまり、大地震の時は、公共施設に逃げ込むのが一番安全ということです。
平成29年時点の調査では、全国の公共施設のうち7.8%(14,274棟)が昭和56年以前の建物(旧耐震基準)にも関わらず耐震化が済んでいません。公共施設のすべてが必ずしも安全とは言えませんが、防災拠点となる建物は概ね耐震化が進んでいます。

まとめ

○Is値とは、鉄筋コンクリート造の建物の耐震性を表す指標
○耐震診断で、「Is値0.6以上」と言われたら安全。工事は不要です。
○Is値0.6は、耐震等級1級に相応します。

詳しくはこちらの記事もご覧下さい→
「耐震等級とは?マンションの耐震等級は上げられる?」http://taishinsekkei.com/info/taishintokyu/

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