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液状化による家の傾斜にも地震保険は有効

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液状化による建物の傾斜や地盤沈下。 地震保険は役に立つのか?

更新日2019.08.19 カテゴリー その他

液状化と地震保険

かつて、地震の液状化による被害は保険の支払対象として認定されにくいものでした。しかし、2011年以降に認定基準が緩和され、支払を受けやすくなっています。建物に大きな損傷がなくても、傾斜だけで全損認定されている例があります。液状化による建物損害の認定基準や支払額について解説します。

東日本大震災後、液状化被害も地震保険で補償されています

かつては、地震保険は液状化被害については頼りないものでした。
液状化は人命にはあまり深刻な被害を与えません。建物の基礎にあらかじめ対策が施されていれば、液状化で建物が倒壊することはほとんどなく、地盤沈下や土地の傾斜で済みます。液状化した土地自体が揺れを吸収する役目を果たすためです。
つまり、液状化すると構造自体は損傷が少ないまま「綺麗に傾く」という被害が多発するのですが、以前はこれがそこまで問題視されていませんでした。

地震保険は、柱や基礎が損害を被ったかどうかが基本的な認定基準です。
構造の損傷だけが、今後の居住に影響すると考えられていたためです。
しかし、柱や基礎が損傷していなくても、大きく傾斜した家には住み続けることなどできません。
傾斜による健康被害も知られています。

東日本大震災では液状化被害が多数発生したので、従来の認定基準のままでは「もう住めない家の大半が半壊にも認定されない」という事態に陥りました。
そこで、これらを救済するために認定基準の緩和が行われました。
現在は液状化被害に対しても補償が行われており、2011年3月11日まで遡って保険支払が適用されています。

被害認定されるのは、建物が一定以上傾くか埋没した時

まず、地震保険の被害認定は四区分です。

●地震保険の被害認定
被害認定

地盤の液状化で被害が出た場合には、下の三区分の基準が適用されます。
●地盤の液状化による建物損害の調査方法
被害認定2
社団法人日本損害保証協会が2011年6月24日に発表したものです。それ以前の認定基準では、木造住宅は3度を超える傾斜でないと全損扱いにはなりませんでした。

この認定基準は、あくまでも建物の傾斜と沈下のみ被害認定されます。周辺の土地が沈下したことによる被害や、液状化の二次被害は地震保険ではカバーできないことに注意が必要です。例えば、泥水が流れこんできて床上浸水した場合には火災保険も地震保険も補償の対象外となります。なかなかすべての被害を想定した保険というのは難しいのです。

建物が傾いただけで全損認定される例は沢山あります

東日本大震災では、広い範囲で液状化現象が見られました。元々液状化しやすい場所として認知されていた、大きな川の流域や、埋め立て地、湾岸部のほかに、内陸部でも被害が起こりました。
地盤の液状化による被害認定が緩和されたことにより、仙台市内では全壊認定を受けられたマンションが100棟を越えています。

地震保険は払い渋りが少ない。安定性に価値がある

元々地震保険は、いわゆる払い渋りが起きにくい性質があります。
実際に、東日本大震災では約75万件に対し総額1兆2,000億円以上の保険金が支払われています。
熊本地震では、約23万件に対し総額3,621億円が支払われました(東日本大震災に次ぐ高額支払い)。
ここまで巨額の補償は、民間の保険会社にはできません。
これが可能なのは、運用を保険会社が行い、資力の担保を国が行っているためです。

地震保険の創設には紆余曲折があり、必要性は明治時代から論議されていたものの、どうしても実現できませんでした。単純に、そこまでの保険料を払える見込みのある保険会社が存在しなかったからです。試験運用されても保険業界からの反対が起こり、足踏み状態でした。

しかし、1964年の新潟地震を機に、当時の大蔵大臣であった田中角栄氏が音頭をとり、1966年に「地震保険に関する法律」が制定。ようやく、被災者の生活再建を目的とした地震保険が誕生しました。
地震保険は、被保険者から集めた保険料を積み立てなければならない制限があり、保険会社に利益はありません。非常に公益性が高い保険なのです。

補償額に限度があるとは言っても、入っておく価値は十分あるでしょう。

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